ことば/達富 洋二

「たいふういっか」という言葉。台風が一家でやって来たら怖いだろうな、と小学生の頃は本気でドキドキしていました。今回のように六号七号八号が同時に天気図に示されるとまさしく台風一家のようです。◆大人になってから本当の「台風一過」の意味を知り、それまでの無知を恥ずかしく思いましたが、台風が一家で来るのではなかったことに安心しつつも、台風一家の方が夢があっていいなぁというのも本音でした。火曜日の終わりの会はこんな話で盛り上がりました。◆先日、携帯電話を買い換えました。お店の方の推薦の機能は、「ショボイ」が一発変換できるということです。他にも「キショイ」「ムカツク」もすらすら出てきます。極めつけは「気持イ」と変換されることです。◆若い人たちは携帯電話がすらすら変換してくれるこれらの言葉を、正しい言葉と思ってしまうのではないかと、やや心配です。◆「うん、この味いいね。」と笑い合っている三年ろ組は、ちょっとした会話の中で言葉の豊かさを楽しんでいます。