ひび割れ模様/達富 洋二

今週は雪の週でした。雨戸を開けるといつも雪が舞っていました。夜通しの雪が真っ白につもった日も幾度かありました。◆集団登校で友だちを待っている間の雪合戦は至る所で見られます。車の上の雪には小さな手の形がいくつも残っています。◆最高気温が三度ですから雪もなかなかとけません。夕方まで残っていることもあります。お地蔵さんのかげに残った雪の横で赤い前掛けが揺れています。◆日なたには南天の実が落ちていました。雪うさぎがとけてしまったのでしょう。水たまりにうかんだ細長い緑色の葉っぱも明日の朝には凍ってしまいそうです。◆子どもの頃は水たまりの氷を踏んづけて割るのが好きでした。真ん中あたりをぐっと踏みます。思ったよりは鈍い音を出してひび割れの模様を作ります。冬枯れた蔦の葉っぱの細い線のようです。◆木曜日はそんなひび割れ模様で飾られた道を歩いて帰りました。車の上の手の形はそのままです。ちらちら降りはじめた雪が肩につもる前におでんとお酒を期待して小走りで帰りました。