僕は知っている/達富 洋二

どうしても胸が締めつけられる夜がある。今何ができるわけではないのに眠れない。朝になればと言い聞かせながらも不安がやってくる。◆誰にだってそんな夜はあるものさ。自分が小さく見える。あいつはどうだろうと気になる。昨日までの自分が悔やまれる。明日からの自分に自信がない。自分だけが小さく見える。◆一ヶ月後の自分が見えない。一年後の憧れはあるのに明日の自分が見えない。やりたいことはこんなに語れるのに。今が怖い。こんなことならと過去を責めてしまう。◆そんなものさと言い聞かせる。みんな同じだと言い聞かせる。自分だけが小さいわけじゃないと口にする。なのに夜はまだまだ続く。今日が終わっていないのに明日がくる。今日を終えずに日が過ぎる。◆自分に何ができるか問うてみる。何もできないと自分が語ってる。自分は何がしたいか問うてみる。ここに夢があると叫びたい。そんな二〇代。二十代ってそんなもの。君らの小さな叫びを僕は知っている。