夏の終わり/達富 洋二

火曜日と木曜日のお昼は新町通のそば屋です。そば屋で麺ではない定食というのもどうかと思いいつもにしんそばです。◆本当のところ隣のお客の定食も気になります。いつのまにか自分の中で火曜日はにしんそばを食べたら木曜日は定食でも許されるだろうという取り決めができました。◆お気に入りはあじフライ定食。からっとしたフライも絶品ですが山盛りのサラダもいい感じです。熱いみそ汁がお腹にしみこんでいきます。◆お皿の横に添えられた一切れのトマト。家では食べませんが木曜日の昼は別です。避け続けてきたので三〇年ぶりのトマトです。◆昨日。運ばれて来た定食。何かいつもと違います。何だろうと思いながらあつあつのあじの身を楽しんでいました。◆キャベツを食べながら気がついたのはちょこんと添えられた白い梨。こんなところに夏の終わりを感じました。