日曜日の午後/達富洋二

日曜日の午後。卒業生からメールが届いた。◆海の向こうのミサイルは無事通り過ぎてくれました。本当に日本中が慌てている様子が伝わってきました。戦争が始まる時というのは今日みたいな状況で「なんだかんだ言ってても大丈夫なんやろ。」と思っている時に始まるのかなと平和ぼけした頭で考えられる精一杯の恐怖を感じていました。昼からは私の実家に二人で行って結婚について少し話をしてきます。◆メールが届いたとき僕は家族でそばを食べていた。前の日に越前で買ってきた自慢のそばだ。湯気ごと食べる。新しい七味の香りに鼻水が出る。それを見た家族が笑う。◆そんなものだ。連日の新聞紙の内容よりも目の前のそばで笑い合うのが家族の日曜日だ。結婚を申し込みに行く若者がいる。川原で焼き肉に楽しむ大学生がいる。テレビのニュースにかじりつくことだけが平和を愛することではない。この瞬間のささやかな幸せに感じ入ることが平和なのかもしれない。

2009年4月15日 | カテゴリー :