日曜日の昼下がり。御前通りの銭湯の一番風呂に入ってきました。常連でなくても馴染めるのがこの銭湯のよさです。◆手拭いをすべるシャボン。肩からはじく熱い湯。コンと響く黄色い桶の音。女湯からは赤ん坊の声。◆なみなみとあふれるお湯は疲れた体を癒してくれるだけでなく贅沢な気分にしてくれます。昼のお風呂に入ると家で働いている親に申し訳なく思ってしまいます。◆子どもの頃には深くて熱くて入れなかった手強いお風呂がありました。そこに入っている人が本当にかっこよく見えました。◆大人二人が広いお湯につかっていると勝手に話が生まれるものです。服を脱ぐ前に聞こえていたテレビのニュース。これからはじまる結びの一番。風呂上がりの酒の肴。◆子どもの頃はお風呂上がりのマミーが楽しみでした。お父さんと来るとフルーツ牛乳。おじいちゃんとの時はコーヒー牛乳。キャップを取る道具のことを思い出しながらさっきの話を酒の肴にしようと洗面器片手に向かいのそば屋の暖簾をくぐりました。