田仕事/達富 洋二

降水確率八〇パーセントの日に稲刈りに出掛けた。春の田植え以降は農協の方に任せっきりだった今年。◆こちらの稲刈りの予想は翌週。しかし受話器からの声は「十一日に刈りましょう。」と。以来天気予報を見続けることとなった。何パーセントなら取りやめになるのか。降っても刈るのか。たずねるにたずねられず八十パーセントの朝をむかえた。◆雲行きがおかしくなってきたお昼前。「食べる前に刈れるだけ刈りましょう 。」コンバインが入れないところを鎌で刈り続ける。ピョンと跳ねる蛙が雨を呼んでいるようだ。ひび割れた土の間に大きな田螺がはさまっている。ううんと腰を伸ばす。◆「ここらはしるいでおいときましょう。」田の土のついた長靴がちょっとかっこいい。◆農協センターでふかした芋とおむすびを食べているとザァーと雨がはねた。きれいになった長靴で稲木を確かめに行った。ちょうど田螺の穴から蛙が二匹出てきたところだった。