青い靴/達富 洋二

雲ひとつない火曜日の午前。北大路橋と出雲路橋の間の土手に腰を下ろしてひなたぼっこをしています。◆右手の広場にひとつの小学校がそのまま移動してきたみたいです。いろんな学年の子どもがかたまっています。◆校長先生でしょうか。手持ちのマイクでなにやら話しています。ですがそんな話よりも子どもたちは川面すれすれに飛ぶ鳥の姿に目を凝らしています。◆体育の先生でしょうか。上から下まで真っ黒の体操服に身を包みながら準備体操をしています。半袖半ズボンの子どもの方がよっぽど凛としています。◆二つの橋を渡って右岸から左岸へと走り抜けます。一周二キロ弱のコースを一年生も六年生も走ります。いつのまにかお母さんたちが集まり声をかけます。黒服は汗もかかず腕を組んでいます。◆賀茂街道から吹いてきた赤い葉っぱを追いかけているうちにみんなに追い抜かれた男の子の青い靴ももう三周目です。がんばれっ。こんなことなら僕もズックで来ればよかったと黄色い葉っぱをくるくるまわしました。