定宿。部屋もいつもの一番室。朝ごはんの時間も伝えることなく七時。
田舎に帰ってきたような時間だ。
と、女将さん登場。この半年ばかりの話を聞きながらの朝ごはん。お茶を入れてくれたり、梅干し入れのふたをあけてくれたり。
「そうそう、焼酎、持って帰んなっせ。」
てっきり昨夜飲み残した焼酎のことだと思って焼き魚を食べていた。
サービスなんかじゃない身内感覚。
「行ってきます。」と宿を出る。いつまでも見送ってくれる姿をミラーに見ながら,僕は左折。きょうは天草文化交流館。
なんとも昭和。
風格と貫禄と誇り。そんな部屋で熱い授業論を2時間半。
帰り道,玄関で「ああ,面白かった。」と若い教師たちが記念撮影をしている。ここに来てよかった。
さて,きょうは港から時計と反対回りで帰ろう。
普賢岳近くの紅葉がはじまったか確かめたいのもある。雲仙教会で黙想したいのもある。高いところから眺める橘湾に溶けこみたい気持ちもある。丁寧な石積みに触れてみたいのも本当。
だけど,ほんとうは,これが無性に食べたくなったから。
ほんとうに美味しい。
家に帰ると素敵な贈り物が机の上に。この夏の写真集。
こんなすてきな夜は,もう一杯のんでねよう。
先週は北海道,きょうは天草,来週は大阪,京都,鹿児島。
まだまだ続く僕の旅。
凍えることない僕の旅。
神さま,ありがとうございます。