東からの使者 真っ白に霜柱が立つ佐賀平野を車窓に僕は東に向かってる。遅い太陽が照らす野里はお正月の朝という風景にぴったりだ。冷たくて痛いような大地に列車の影が動く。この景色の中で「思考している存在」は僕だけ。 そう思うと、いつでもいつまでも動けるような気がしてくる。東からの使者が僕の手を引く。 うん、行き先なら何処でもいい。