僕と同じ名前の友だちがはるばる吉野ヶ里から2トントラックで来てくれた。職場で伐採したから薪にしてくれと山積みの青いトラックが我が家の前にとまった。
ロープを解きながら二人でなんだかんだと四方山話。あっという間に荷をおろした。二人だとはやいですねとの言葉に、一人で積んでくれた彼の汗を思った。
倒した時は小さなつぼみだったように思うんですが、と言って横にしてあった桜を撫でているその先にほころび始めた淡い花弁。
切られたあとでも花を咲かせるなんて。そうしようとしているのか、そうなってしまうのかわからないけど、僕には咲いていることに違いはなかった。
これは薪にせずに皮を残してランタン掛けにでもしよう。
青いトラックが懐かしい音を残して見えなくなったあとも、桜色のお土産は春の日差しの中にあった。