兄貴の車で

19の頃だったと思うけれど、黄色いCDを鳴らしながら、兄貴とよく伊勢まで車を走らせた。後ろに座るのは、お袋の時もあれば、じいちゃんの時もあった。米袋や赤味噌を積んだ時もある。収穫したばかりのスイカをごろごろ並べた時の匂いは忘れられない。

今日、おんなじように車を走らせた。高速道路がずいぶんと伸びて便利になったし、乗ってる車もあの頃とは比べものにならないほど上等になった。僕たちは同じように歳を重ね、丸みを帯び、それなりの大人になったけど、話す会話も笑う瞬間も、夏のような日差しもあの頃のままだ。

「帰りは洋二が運転しいや。」の兄ちゃんの言葉もあの時のまま。

僕の「うん、ええよ。」もその時のまま。

2018年4月21日 | カテゴリー : 家族 | 投稿者 : Paul.TATSUTOMI