さいごのかばん

幼稚園に通っていたときのたすきにかける紺と緑のチェックのかばん。

年長のときに兄貴が作ってくれた箱のかばん。

ランドセルには母さんが名前を書いてくれた。

野球部の黒くて大きなかばんは底の革のところに父がきりで「洋」と彫ってくれた。

高校の時は WALK ABOUT のデイパック。

学生時代は風呂敷。

教師として働き始めてからは30年で9つ。一澤帆布店のトートバッグ。芹沢銈介の丈夫な風呂敷。KENZOの黒鞄(これは賢治に譲った)。吉田カバンの茶色の手提げ。COACHの茶色の肩から下げられるものが大小2つとファスナー付きのトートバッグはまだ現役。COACHの黒は息子が使ってる。兄貴のスペイン土産の一点物は土日用。

そして、10月31日。おそらく人生最後になる革の鞄の完成。久留米の革職人にお願いしたオリジナル。一点物。モデルは寅さんのかばん。

11月からはこれを下げて労働の旅に出るつもり。