春はあたりまえに

未明の雨が連れてきた桜の花びらが一枚、洗面所の窓にとまっている。我が家の山桜はもうおしまい。

昼過ぎ。雨も上がり、花の色が輝きはじめた。

春はあたりまえに目の前にある。

いつもの春がここにある。

それなのに、いつもの4月1日はない。神様が見えなくならないように、ちゃんと言葉にしてきょうを見つめる。ちゃんと言葉にして明日を迎える。ちゃんと言葉にして明後日に生きる。