僕の五島時代の教え子、慎太郎。
とてつもなくいい男になっている慎太郎。慎太郎から荷物が届いた。
きのう、潜って70ほど捕ってきたとのこと。いちばんいいのを送ってくれた。
アワビ。もちろん、刺身とバター焼き。ではない。慎太郎の荷物にはこんなものが入っている。
ペットボトルの中は五島の海の水。この水でゆっくりゆっくりと煮る。アワビは蒸す。まるごと五島。
先日、桐谷祥平が下げてきた焼酎「五島灘」を氷で、お湯で、生で。
まるごと五島。どこまでも五島。とにかく五島。
「五島」。僕は五島で働いていたわずかな時間を忘れない。この時間がなかったら、今の僕があるはずはない。
そう、五島はあのときも、あの時からも、そして今も僕を見ていてくれている。僕が「五島に行った」のではなく、はじめから「五島が導いて」くれていたんだ。だから、「五島」に抱かれている、いつも。
こんな生き方をしてこられたことが奇跡だけど、いまは現実。だから謙遜のなかに生きていきたい。