とにかく強い雨。一瞬の光はたちまち雨に消されてしまう。たたきつける雨。島の雨は容赦しない。
草一本,残していない石積み。手入れの丁寧さと積み方の美しさと積もうとしたひたむきさ,ここで祈りながら暮らすことを選んだ一途な思いに雨の音を忘れる。
今は聖堂には入れない。そんなことは当然だ。島の人の優しいまなざしから僕は拒まれていないことを感じるからこそ,それでも押しかけるように来たことを申し訳なく思いながら十字を切った。
さて,きょうはこの島の先生たちに会える。
そう,帰ってきた。校長先生も教頭先生も複式の担任の先生も養護教諭の先生もサポートの先生も事務の先生も,そして,子どもたちも覚えてくれている。「ただいま。」
僕は島に戻ってきた。そして,ゆったりと授業のことを語り合った。
僕はこの島が好きだ。本当に好きだ。
神様,ここに戻ることを導いてくださってありがとうございます。
五島,聖なる島に戻ってきた。