天を仰いで

絶好の機会を逃したわけではない。つらいことが続いているわけでもない。万事休す、で天を仰ぐのではない。

僕は、きょう、天を仰ぎに行こうと思ってる。「天を仰ぐ」。そう、まさに天を仰ぎに行ってくる。

8時15分。洋上でこの時間を迎えた。

夏の甲子園もなく、未だ慣れない今年からの距離感の中、75年目のこの日はあたりまえにやってきた。

心の準備も調えていないのにきょうがやってきた。

人として、この時間に何を思えばいいんだろう。何を誓えばいいんだろう。僕はそんな簡単なことも分からないまま、洋上で祈ることしかできない。

二等客室には誰もいない。

舟をおりる。見慣れた島。また帰ってきた。

きょうはじっとするためにここに来た。語りかけるために来た。声を聞くために来た。

それだけ。それだけなのにどうしてだろう,この満たされた気持ち。

お昼は馴染みの店でいつものちゃんぽん。

昼からも同じ。語りかけ,声を聞く。それだけが僕の日常を満たす。

帰りは教え子が駆けつけてくれた。

この男。絶対にいい奴。

神様,きょうもいちにちをありがとうございます。満たされた8月6日にただひたすらに感謝です。

2020年8月6日 | カテゴリー : 恵みに満つ | 投稿者 : Paul.TATSUTOMI