単元 斎藤隆介作品を動かそう/達富 洋二

まずは「モチモチの木」の影絵に取り組みました。読む。切る。動かす。自分のしたいことをする。ですからみんな前向きです。◆枝の部分を切っているあいだも豆太を動かしているときも教室には誰かの音読が響いています。「次はどの文章」というより「次は誰の声」という聞き方になってきました。◆「昼間だったら見てえなぁ」誰もがその担当者のその読み方を待っているのが分かります。いちばん最初に読んだ私の読み方などどこにも残っていません。◆まだ十三分や。まだはやいわ。いつの間にかストップウォッチを持つ子どもが出てきました。練習です。切り絵を動かす動作に無駄がなくなってきました。豆太の動かし方には余裕が出てきました。◆十六分。あとは歌を歌ったら二〇分。みんなで顔を見合わせたのは発表前々日でした。◆選んだ歌は「ともだちになるために」ともだちになるために/ひとは出会うんだよ/誰かを傷つけても/幸せにはなれない◆『モチモチの木』はみんなの心にいろいろなものを残しました。三年ろ組にはとびっきりの「やさしさ」があります。