三日目の朝。
キビナゴのお茶漬けから一日がはじまる。
小学校での研究の前にお祈りを忘れない。
廃校になった運動場は苔むしている。かつてこの学校で研究授業を見たことを忘れてはいけない。僕の今は,あのときからつながっているのだから。
あのとき,お昼のお弁当を食べた海岸に降りてみた。
この景色は,きっと,何にも変わっていないはず。2000年前からも変わっていないはず。
そして,夕方。研究ではない時間、僕は懐かしい土地を楽しんでいる。ここに住んでいたことは僕の誇りだ。かつての教え子と語り合う。「せんせい」って呼んでくれるけど、僕よりずっとデカくて頼もしい人間になっている。これも僕の誇りだ。
この島は祈りに包まれている。僕も祈りに包まれている。
教師として望まれた仕事をするということの原点に案内してくれるこの島は僕にとって,まちがいなく聖地である。