今、僕は海の上にいる。大きなフェリーに乗ってスマホの地図と右側の陸地の方と左側の景色と真下の波を見ている。
テレビで何度も耳にし、新聞でふれた地名が画面に並んでる。町の名前を見るだけで胸がいたむ。
そう、まさにここの波だったはず。この波が陸を駆け抜けたんだ。静かに祈ろう。今の平安に感謝しよう。忘れないって誓おう。
きょう。
僕の船もすれちがうひまわりの船も穏やかな朝を迎えている。
苫小牧発、仙台行きフェリーの朝。
僕は同い年の爺さんからもらったサイコロをおもしにしてカップラーメンの出来上がりを待っている。
さて、そろそろ仙台。
僕の暮らし。また、ふりだしだ。