携帯電話の写真を整理していたら2月10日の思い出が、何冊も並んでいる本棚の隙間にはさまれた葉書のようにするっと顔を見せた。
そうだ。湯島、
2月10日。僕はこの日湯島に泊まった。湯島、はじめての夜と、はじめての朝。
仲間たちと教室を語り合うのは至福のときだ。だれもが子どもを安く見積もらない。教師の都合を押し通そうとしない。子どもの声に耳に傾ける。小さな島の大きな成長がここにある。
ほてった頭をひやそうと、散策。かつてはこの小さな島のかわいい灯台にも灯台守がいたという。
美しい。
島の風の向きが変わること、仲間が集まってきた。地域の父ちゃんが釣り上げ、母ちゃんがさばいた魚を持って。
今宵、語って、したたかに酔って。
早朝、仲間に見送られて島を発つ。
「また来るけん!」の言葉はこの船のエンジン音に消されたかもしれないけど、ずっと手を振ってくれる兄弟には伝わっているはず。
船を下りるとき、朝焼けにカモメ。
小さな島の大きな一歩。僕は、その一歩の背中を少しだけでも押せたかなと問うてみる。カモメは答えてくれないけれど。奴は、きっと朝の腹ごしらえに忙しいんだろう。
神さま、きょうもいつくしみをありがとうございます。
1月の末からちょっときつかった僕もようやく元気を取り戻しつつ、