長崎での仕事を終え,奈良からの友人と一献の盃。
一軒目,馴染みの餃子の店でピッチング練習。
二軒目,郷土料理と茶碗蒸しを肴に互いのこれまでとこれからを語り合う。
三軒目,
おでん屋の暖簾の向こうに,えっ?かつての教え子「慎太郎」の姿。
この偶然の再会はうれしいというより信じられない瞬間だった。まさに身震いしたらしかったという感じ。ルントウの言葉に身震いしたシュンちゃんは悲しみの身震いだったのだろうが,ぼくのは驚愕の身震いだ。神秘の宝庫だった五島の小さな英雄が目の前で焼酎を飲んでる。
慎太郎は僕にとっては永遠の小僧でもあり、生涯の憧れでもある。この心震える感動は僕のかけがえのない仲間であり教え子がつくってくれた。ますますこいつに惚れてしまう。
「おい,慎太郎!ちゃんと生きていかんばぞ!先生もちゃんと生きっけん!」