M。ぼくの悪友。すこぶるいい奴。15歳をまるごと抱え込むいい奴。授業に体当たりするいい奴。人懐っこさがあふれる子どもみたいな笑顔に包まれる。
そしてMの親友Fさん。指をくわえなくても指笛を鳴らす粋な奴。オーケストラのように指で奏でるFさんの唇にみとれる。
焼酎が波打つ盃を離さず語るY氏。輝く海に負けないくらい透き通った瞳のやんちゃな男。こぼれてくる地元の言葉に憧れる。
しなやかなK。誠実なK。語っても語っても問い続ける強い心に真剣勝負。あなたは大きくなるよとひとりごと。
そしてO。絶妙なコーディネート。朝いちばんの朝顔のようでもあり、夕暮れの酔芙蓉のようでもある。細やかな気づかいにありがとう。
悪友たちとの鹿児島の夜は日付をまたいだ。中央駅の照明も落ちる頃、僕たちは気温7度の夜を歩いてる。
ありがとうをこのままここに置いて帰りたい。戻って来たいから。