学び舎だから

この時期の大学は閑散としている。3年生も4年生も教育実習。1年生,2年生は帰省中。僕は静かな研究室で前期のまとめをしている。もっと教え方を工夫できたはずなのに,と反省ばかり。来年の4月に使う学習材をつくりはじめる。半年,ああだこうだと言いながら学習材と付き合うのは愉快だ。こればかりは小学校の教師も中学校の教師も大学の教授もかわらない。

後期に授業する教室に立ってみる。この教室で使うことを想像しながら準備する。これは自宅の書斎ではなく,学び舎の中でなければできないこと。学び手の息づかいが教師としての僕の感覚を鋭く,そして柔らかくしてくれるから。そんな自分を見つめるために,僕は誰も居ない夏休みの大学に通う。