僕らは言葉に生きている

この1週間ほど,考え込んでいる。

どの新聞にするか。

今,毎朝,届けられる新聞のおじさんはいい人だ。お店も丁寧で申し分ない。だけど,届けられる新聞を飾る記事,そして,それを綴る言葉にため息が出る。言葉が僕の朝から離れていく。心が冷たくなっていく。だから,新聞を変えることを考えている。試しにいろいろ集めてみた。ジャイアンツは好きじゃないし,平和を希求しているのでそれらは辞めた。

新聞は,「おはよう」から「おやすみ」まで,僕のそばにある。

毎朝,いわばその日に初めて出会う言葉は「あたたかい言葉」でありたい。人のつながりに感謝できる言葉でありたい。生きる励みとしたい。今,ここに居ることが誇り高く感じられる言葉がほしい。

それなのに,政府を批判し,行政を揶揄し,どうにもならない昨日のことをああだこだとこねくり回す。自社のことは棚に上げて。

今は悲しいときだ。つらいときだ。面白くない春だ。そんなの誰もが分かっている。だからこそ,言葉できょうと明日と明後日を作っていこう。言葉で昨日までの美しさと健気さを残しておこう。言葉で語り継ごう。

なあ,いいか。僕たちは言葉に生きているんだ。