佐賀大学の南側のアプローチの生け垣が好きだ。枝枯れ模様が作る線描の冬も,他からの彩りを垣根に混じらせるいたずらずきな秋も,隙間なく緑で埋め尽くす圧倒的な量の夏も好きだけど,やっぱりこの彩りの壁にはかなわない。
しばし立ち止まる僕に学生が声をかけてくれる。そう,学生も生け垣の前に華やかなる。こんな垣に気づいたら,授業を受ける気分などなくなるだろう。いいよいいよ。僕の授業より,まちがいなく季節のほうがいろんなことを教えてくれる。
神様,ことしも花をありがとうございます。花弁ひとつ作ることができない僕は,自然に学びます。