栄冠は君に輝く/達富 洋二

野球が好きだ。いてもたってもいられない。普段は見ないテレビも夏休みは僕の独占になる。朝から高校野球。夜はスポーツニュースに熱闘甲子園。どうしてもの外出には携帯のラジオ。仕事の途中はasahi.comでチェック。◆ひいきのチームがあるわけではない。どのチームも勝ってほしい。最高の夏を見たいだけだ。この一球がどれだけ尊いものか。一球を追ったものだけが分かる。◆開幕まで一週間を切った。連載される新聞を見てはまだ見ぬ地方の学校に思いをはせる。最近は地方紙の様子をコンピュータで見ることができる。選手の親や恩師の声がそこにある。どれを見ても胸が熱くなる。◆それぞれの郷土をもって来る。風土があふれる。郷里のためにもと応援に力が入る。しかしプレーをするのは一人一人だ。チームの力だ。彼らの努力だ。彼らの力だ。だから熱くなる。だから見守りたい。◆野球が好きだ。彼らの息を感じたい。このときだけは扇風機をとめて麦茶で応援だ。一日で声がかれる。