いわゆるコレクターという類に属するのかどうかは別として「集める」癖がある。古くは一升瓶の蓋やプロ野球カード、近頃ではハンバーガーショップのおまけまで。◆駅弁の包みや割り箸袋なんかもいい。酒を飲むようになってからは、地酒のワンカップのコップを集めるようになった。それも紙ラベルのものではなく、ガラス面に銘柄を印刷してあるものである。あとからそいつで飲むとそのときの味がするような気がする。◆集めたものを並べて見ることがある。これが楽しい。手に入れた年代順に並べることもあれば、お気に入りの順のときもある、並べ方はその時々で違う。◆さわっているうちに何処からともなく、そいつを手に入れたときの光とにおいが体を包む。店のすだれの隙間の輝きだとか、煙った石油ストーブのにおいだとか。◆この夏、各地で日本手拭いを何枚か集めた。それらを頭にのせ、我が家の湯につかる。日本海の夕日の輝きの大きさや、妙高の風のやさしさと雲の切れ間の光景が思い出されるのである。