鈍行の窓に問うてる寅さん忌
きょうは飛行機も新幹線も特急もなし。移動するなら鈍行。つっかけで歩く。できれば畳の上で口上のひとつでも。
仕事帰りに柴又でもと思ったけれど,偲ぶ人が多く集まる処に足を運ぶよりも静かな温泉で「 信州信濃の新蕎麦よりもわたしゃあなたのそばがいい」とやるのが似合いそう。
と,仕事帰りに湯に寄った。
旅の疲れは湯につかるのがいちばん。相棒も同じ。昨日の鉄板からの油まみれをきれいに流してやった。
頭をつかったあと腹がへる。ちょっと足をのばして楽しむことにした。
あひるのパリパリ揚げをめあてに入った店。
「擬音語・擬態語」。カタカナは音,平仮名は様子。だったら「この場合は平仮名でしょ!」と確信して一口目。食べもしないで間違い探しに勝ったような気分になっていた自分が恥ずかしい。
この店のパリパリは間違いなく「音」。パリパリにはビールか紹興酒か。きょうもよく働いた。
神さま,きょうも一日ありがとうございます。鈍行旅のように人の声のなかで生きていくスタイルを教えてくださってありがとうございます。