教室の事実を聞いてもらえるなら

これまで続けてきた授業実践をふり返ると,ひとまとまりの足跡が見える。それは何らかの理論に支えられたものというものではない。整理された考えの下に計画されたものでもない。ただひたすらに続けてきた結果としての集合体である。そのときの流行に惑わされかけたときもある。何人もの先輩を真似して自分を失いかけたこともある。だけど,そんな思いに負けてなるものかと,自分の思うことをただひたすらに続けてきた。それがよかったと思っているし,それが今を作っている。

子どもに恥をかかせない。子どもが自ら動き出す。子どもが自らふり返る。自分が他人にとって価値ある他人になる。声を届け声を受け止め声を共有する。人の中で育つ。

これらのことは外せないと続けてきた。今,ぼくはそんなことを自分なりにまとめて語り始めている。20年と少しの経験だけど,教室の事実として語り続けたいと思っている。聞いてくれる人がいる限り語るのをやめないでおこうと思っている。