つきあたりの少し手前

画家さんの真似をして両手の指で四角を作ってみた
四角の指で景色が切り取られる
切り取ったところは額縁にかこまれてくっきりする

だけど僕の指の額縁のために見えなくなったところもある
僕の指の向こう側にも景色は続いているのに

僕の四角で校舎も遊具も銀杏の木も見えなくなる
ベビーカーもママの帽子も見えない
居酒屋の暖簾も赤い顔のおじさんも
風に吹かれる白い雲も見えなくなる

本当はあるのに見えない
見えている指の額縁のために見えなくなったものがある

見えなくならないようにするには額縁なんて見ないほうがいい
ずっと見ていたいなら額縁の向こうに行けばいい
空の全部を見たいなら
空をさえぎるものの向こうに行けばいい
空のつきあたりに行かなきゃならない

じゃあ
あなたの心を全部見るならどうすればいい
どこに行けばいい
あなたの心のつきあたりはどこ

僕は今
あなたの心のつきあたりの少し手前まで来ているみたい
見えていそうで見えきっていない
そんなもどかしさの中でとにかく見ようとしている

 

神さま、きょうもいつくしみをありがとうございます。