長崎を歩く

龍馬も歩いた道を歩いている。脱藩浪士の気分で。

大正時代のガラスで獺祭を飲む。美しい指でつがれた冷酒は梅雨の湿り気を何処かへもっていった。大人の酒は粋だ。

若い人の日常の話はどれも楽しい。説教みたいにならないためには僕も若くなればいい。ことばづかいはついて行けないけれど,未来を語っている間は同志だ。

終電などとうになくなっている。かまやしない。浪士には歩くのが似合ってる。長崎街道でも西彼の道でも,どの道でも歩いて帰れそうな気がする。こんな気持ちにさせるのは龍馬のせいか,若い人のせいか。