8月21日は決勝。北海高校と作新学院。どちらを応援するというより,僕はいつものようにそこにいたい,それだけだった。開門までの3時間,試合開始までの3時間。ただただ日差しの中でこの2週間をふり返る。いや,甲子園までの地方大会を包み込むように思い出す。
7月9日から始まった98回の僕の夏。長崎,熊本,佐賀,大分の地方大会とこの甲子園。小さな小さな野球部の応援が,きょうは5万人を動かすブラスバンドになっている。5回終了時にグランドを走り回る在学生のとんぼが,ここでは車に据え付けられたブラシの舞いに変わる。
黒い甲子園の土に白球はよく似合う。だけど,地方のかたく白っぽいグランドにも白球は映える。そこに白球を追い続ける選手がいる限り,僕はその球音を追い続けようと思ってる。
熱いとか,苦しいとか,そんなんじゃなくて,高校野球はとにかく美しい。