紅梅のつぼみがひとつふたつ開いている北の天満宮の参道を歩く。かつては毎日の遊び場所だったこの参道だけど,今は,年に一度おとずれる初詣の道になっている。
二礼二拍手一礼,だれもが同じような所作を繰り返しているけれど,祈っていることばはひとりひとりの「らしさ」いっぱいの願いのはず。と,僕も手を合わせた。クリスマスのミサとは違う空気。透き通る青空を網の目に分ける銀杏の小枝の隙間を鳥が飛ぶ。大きな青空は小さな欠片がぎっしりと合わさってできているのかもしれない。それなら今年の僕は小さな日々をちゃんと並べて大きな一枚にちゃんと広げることにしよう。
春風献上。