綴るということ

かおりさんから小包が届いた。ひいじいちゃんが逝ってしまったときの息子と家族の時間が綴られている。「おおじいじとの別れ 隠さず,やさしい言葉で」と題して綴られた言葉が再現するその瞬間は,小さな男の子とその両親との姿だけではなく,もうひとつ,「家族」の風景を切り取っている。書いた本人,描写された人物,読んだ者。言葉の共有が事実をつくる。ぼくはかけがえのない贈り物にふれた気がした。ありがとう,って言葉がその感想。

『ちいさい おおきい No.105 幼い子に「死」を語るとき』,ジャパンマシニスト社