僕はいま、熊本空港で太平燕を食べながらきんきんに冷えた麦茶を飲んでいる。先ほどまでの熱い研究会の余韻に浸りながら。夕べは、県の研究会の会長の先生はじめ、多くの事務局の先生方との食事。教育の話が尽きない。杯を重ねるにつれてその話も深くなる。子どもを語り、授業を語り、教室を語る。そんな時間はかけがえのないものだ。元どおりに向けて手を施している熊本城を眺めながら、僕はこの1年間のことを思い出す。熊本城が少しずつ形を確かにするのと同じように、この地とのかかわりも重なってきた。誰も知らなかった熊本の先生方と名前を呼び合い、街を歩き、明日を語れるようになった。