何も考えないことは自分を知ること

きょうは黒崎の教会に居た。何も考えず,ただ何も考えずと急いでいる僕に,言葉が届く。

「何も考えず,なんて考えなさんな。」と。

だから僕は,海を見ながら何も考えないことにした。めがねを外し,万年筆を置き,白い波の数を数えることにした。

 

何も考えない1時間。きょうのすてきな出来事がいつの間にか頭をいっぱいにしている。ふんわりと僕の中を独り占めしている。
何も考えていない時こそ,いいことがすうっと出てくる。

これはきょうが二度目の学校の玄関。下駄箱に僕の名札が貼ってある。

まちがいなく彼のしわざ。にくいほどさりげない悪戯。
何も考えない僕は友に包まれていることを知る。
ありがたいことだと知る。
そして自分が今一人でここに居ることを知る。

何も考えない僕は人の中で生きていくことを知る。

神様,きょうも一日をありがとうございます。