宛先。それは手紙やメールを届ける先。届けたい相手やその場所。
社会言語学でも、宛先性(アドレス性)という用語はよく使う。発話の先のことだ。
手紙ではなく発話のアドレスはひとつに限定できない。話し手もアドレスをひとつに定めず発話することがある。
聞こえてしまった限りは、自分へのアドレスでなくても反応することがある。聞こえていても、アドレスが自分ではなければ受け止めるだけでも構わない。
翻って、自分へのアドレスの発話に反応できているか。的確な内容をふさわしい話し方で返せているか。
そもそも、自分へのアドレスと気がついているか。
アドレスとして僕を選んでくれる人がいるなら、僕が「あなた」に聞いてもらいたいように、僕は選ばれたアドレスとして、ちゃんとその声を大事にしたい。
アドレスとして選んでもらえること。教師はこのことをあたりまえに感じてはいけない。
神さま、きょうも僕に与えられた仕事をきちんとします。