話しなおし,聞きなおし

on-line授業,その方法はさまざま。僕はiPadを使って,普段の講演のようにしゃべって,それを動画にして配信している。10分程度の動画を3本ほどのセットにして1回の授業としている。

「では,ここで《私の問い》を立ててみましょう。」

「《問い》のサンプルはこういうものです。《問い》を立てるには,」

「さて,学習課題にどれほど迫れたか,何が解決できなかったか,振り返りの時間です。」

まさに,授業だ。しかも,動画で十分できる。動画の方がいいこともある。それは何か。

待たないことだ。目の前に学生がいると,つい待ってしまう。必要だから待つんだけれど,必要以上に待ってしまう。
余計なことを話さないことだ。目の前に学生がいると,つい話してしまう。求められていないのに言葉を付け加えてしまう。
聞かないことだ。目の前に学生がいると,つい聞いてしまう。僕へのアドレスではない声にも反応してしまう。

待つこと,話すこと,そして聞くこと。これらは授業者として大事なことだ。だけど,過剰反応してしまうのが教師かもしれない。

動画をつくる。その際,気をつけるのは,どれくら待つか,どこまで話すか,リアルタイムに聞こえないからこそ,どのように編集するか,だ。

そのために,動画を何度も何度も見る。上手に話せていない自分が恥ずかしい。どこの地域の言葉か分からないイントネーションが嫌になる。小さく聞こえる波の音が気になる。

そして,何度も取りなおす。話しなおす。そして,聞こえない「声」を聞きなおす。

このon-line授業研究。新しい僕を創ってくれている。僕の授業力,進化しています。