ゆだねる

雨の降る休みの日の午後。僕は古いCDを引っ張り出して,革張りの本を読んでいる。万年筆の文字,鉛筆の走り書き,赤鉛筆の線。何年も前の自分に会える。

背伸びしていた僕が居る。甘えていた自分が見える。とがっていた頃の僕の姿が見える。

そんなこと,何でもなかったように今がある。

“What has changed since then?”ラザロがたずねる。

“Let it be to me according to your word.”僕が答える。