きつつきの商売

我が家の前の雑木林にはきつつきが住んでいる。樫の木やぶなの木をコンコンとやっている。この頃は竹にもしがみついていそがしい。

ここに越してくるまで,きつつきの顔は小学校3年の教科書の「音屋」の挿絵でしか知らなかったが,ほんとうにあんな顔をしている。馴染みのある顔だ。

先日,秋の便りに絵でも添えようと思い,カラスウリをさがしに雑木林に入った。昨年も見つけたところにあるだろうと思っていたが,めあてのカラスウリになかなか会えない。と,そのとき,コンコンが聞こえてきた。カラスウリそっちのけで,こんどは「音屋」さがし。こちらはすぐに発見。あいかわらず愛嬌のある顔だ。

「おい,カラスウリは何処か知らんかあ。」とたずねながら,コンコンと林を歩いた。

 

啄木鳥の木つつく音を心あてに君をたづねて森にさ迷ふ  啄木