湯島そだちの会

僕はこの湯島小学校との共同研究で大きく成長するはず。そして、湯島小学校の教師たちも成長のきっかけを得てくれるはず。もちろん、子どもたちはぐんぐんと成長するように教師は丁寧な授業づくりに挑む。みんなが成長するようにと「湯島そだちの会」と、道中、港までの景色の中で勝手に名付けた。

近くの食堂で昼食。会話が弾んだせいか、海老の天ぷらがメニューの写真よりも多い。女将のサービスか、大将の数え間違いか。

さて、港。こんな船で迎えに来てくれるのかと想像していると、


はるかに大きい船の上で兄弟が手を振る。

思いのほか時化た海原。船室の窓ガラスが潮に濡れる。

湯島はいい天気。僕の鞄を運んでくれる兄弟はすでに島の人となっている。

島をぐるりとまわる細い道。

辿り着いた小学校には、メッセージと僕の名前の下駄箱。

教室の窓からは見事な景色。

ついつい僕の話も熱くなる。

3000人のホールでの講演も、6人の教師たちの教室もなんの差もない。むしろ僕はこっちのほうが好きだ。

「ひとりぼっち学び」ではなく「ひとり学び」を充実させましょう。
丁寧な授業は子どもの力を信じることから。
先生が足を運ぶこともいいけれど、子どもがたずねに来る教室にしましょう。
《問い》を立てることは《問い》を立てることでしか育たないから《問い》を立てる機会をたくさんつくることです。
教師として「国語好き」にならなくてもいいから、「国語フツー」になりましょう。
「教えることは「名詞」ではなく、「動詞」。「段落」を教えるのではなく、「段落に分けて書くことができる」ようにする。
小学生の「まちがい」は「気づきのきっかけ」、「まちがい」を指摘して直すことは「できるようになる」機会。そのタイミングをみがきましょう。

研究会のおしまいに校長先生が言葉を贈ってくださった。「  」空欄のある掲示物を準備してくださって話をしてくださった。その丁寧な下ごしらえに熱くなる。
そう、僕たちは子どもも教師も言葉という「愛」の中に生きているんだ。

そんなことがぐっと凝縮された湯島の初日。もうすでに次の船便が楽しみになってしまっている。

細い道をたどって、港に向かう。帰りはひとりだ。港で手を振ってくれる兄弟がたくましく見える。

また、すぐに来ます!

そうそう、校長先生。あの「  」の中、全部に「愛」という言葉を入れてもいいかもしれませんね。

帰り道はちょっと寄り道して帰りました。