久しぶりの京都の研究会。この会はぼくにとっては宝物のような集まりだ。国語好きが集まったわけじゃない。僕を慕って集まってくれた111人のゼミ生を中心に広がった指月会はとても尊いものだ。
できたのが2003年だからもう13年になる。毎月一度の研究会は数えはじめてから89回。全部を数えたら200回を超えているはず。文学を巡る旅と称して,金沢の室生犀星や愛知の新美南吉らの里を巡ったこともある。閉館前の国際児童文学館にも通った。帰り道はご当地の美味しい肴とお酒。いつも笑顔と途切れない会話と真摯な姿があふれていた指月会。
再び,みんなが一つにまとまる日を心待ちにしている。ぼくを慕ってくれるだけではなく,出会えた偶然を喜び,つながり続けてきた時間を尊び,これからを共有していける仲間が集えるなら,ぼくはこんな幸せなことはない。50を超えた僕が中心ではなくて,みんなが主役なんだよって。満ち欠けする月ってそういうもんだよ。