この夏の熊本北高等学校野球部のスローガンは「0から1へ」。甲子園出場回数を「1」にするということだ。思えば昨夏は藤崎台球場のスタンドで熊本北に熱くなった。そのときもらった野球部の青いタオルは今でも宝物だ。今年の熊本北の登場は明日。県営八代野球場。守りを徹底的に鍛えてきた今年のチームは見ていてもすきがない。まさに守りは最大の攻撃だ。
晴れの舞台の前日。つまり、きょう。その熊本北高等学校でぼくは文法の授業をした。真っ黒の野球部もぼくの文法の授業に笑ってる。明日は文法どころじゃないんだから、文法は甲子園から帰ってからでいいよと言ってやりたくなるぼくをよそに、指示語、省略、デフォルト値、とメモを取っている。野球部じゃない生徒も文法している。
文法している高校生って、どこかかっこいい。自分の言葉を気に入り、自分の言葉に責任をもち、自分の言葉にすきをつくらない。部活の姿と重なる。こんなに気持ちのいい文法の授業ならいっまででもと思ってしまう。すてきな50分をありがとう。
さあ、明日。グランドで白球を追う高校生!スタンドで友とつながる高校生!明日は君たちから学ばせてもらうよ。