悪友と新大阪駅で待ち合わせ。昼からの真面目な仕事があるのでここは我慢をしてアルコールなしの昼の寿司。
あいかわらず弟みたいな悪友の屈託のない笑みにこちらまで若返る。彼は話し上手で、ついつい聞き入ってしまう。
20年ほど前の僕の失敗談をよく覚えている彼はある意味困った存在でもある。彼は達富さんの武勇伝と言うが、どれもこれも間違いなく悪いことばかり。きょうも新たな情報を得た。
1998年、10月のことらしい。その頃、働いていた職場にとっては最も大切にしなければならない業務に僕はたずさわっていたらしい。(そんなことまったく覚えていない)その業務が始まり、関係者が集まったにもかかわらず達富がいない。(そんなはずはないんだけど)困り果てた関係者が彼にたずねたらしい。関係者「達富先生がいないんですが、」、彼「そんなことないでしょ、探しなさい」、探し疲れた関係者「何処にもおられません」、彼「もっと探しなさい。」(そうだそうだ!)さらに疲れ果てた関係者「見あたりません、、、」彼「約束は?」、関係者「もちろんです。約束してます、間違いありません。」(それにしてもよく覚えてるもんだ)彼「分かった。連絡を取ってみる。」
携帯電話を買ったばかりの彼は、これまた携帯電話の使い方をよく知らない僕の携帯を鳴らしたらしい。(まったく記憶になし!)長く長く鳴らしたらしい。
「あっ!達富さん!何処にいてはるんですか?」「甲子園に決まってるやんけ!」「えっ!?甲子園?えっ?大事な仕事忘れてはりませんか?」「忘れてへんよ。それよりお前なに言うてんねん。きょう、ベイスターズの優勝やで、お前もつべこべ言わんとはよ来い!佐々木が出てくるで!」
と言うことらしい。あれから19年。彼の話よりもベイスターズは今年も甲子園でいい試合をしたなあ、と感慨深い僕なんだけど、彼は達富の覚えていない達富をもっともっと知っているようだ。困ったことだ。
さて、きょうの仕事。第43回 大阪府小学校国語科教育研究大会は無事に終わった。僕が参観した授業は素晴らしいものだったし、彼が指導助言を担当した分科会も盛会に終わったと聞いた。仕事の前の寿司屋での話の方が衝撃的だったけど。
大阪かあ。若かった頃は何にも怖くなかったし、何をやっても美しく見えたし、輝いていたなあって、思いながらの帰り道。551と缶ビールを買い込んだ。
大阪発の新幹線は22番ホーム。さてと、西に向かって帰るか。