天草からの帰りはかっこつけて

天草。天草空港。松屋旅館。崎津教会。亀川小学校。どれを抜かしても成立しない今回の一泊二日の旅。

人間関係をひらくのは声。声を届け、声を受け止める。そのことをちゃんとすることが何より大事だと今さらながらだけど確かめた天草の旅だった。
目指しているところが同じ者で語り合うのは楽しい。楽しいから目指すところがぐんと近づいてくる。目指すものが見えてくると話が分かりやすくなるからもっと楽しくなる。楽しくなりすぎると、、、どうなるんだろう。天草では、楽しくなりすぎたから大きな声で笑って、笑って、それを実現しようと確かめ合った。そんな松屋の夜。

寅さんが出てきそうなこの旅館は何から何まで僕のお気に入りになった。

翌朝、崎津教会を歩いた僕は、昨晩の心地よさを本当のものにするよと決めた。授業も研修も丁寧な教師の謙虚な姿に包まれていた。僕はもう一度、本当のものにするよと、心に決めた。

天草空港まで送ってくださった友が、僕を一人にしまいと離陸の時間まで付き合ってくれた。彼の口からこぼれる声は、天草の教師仲間のよさばかり。天草の先生がたの誠実な様子を語り続ける彼の声はまさに人間関係をひらいてる。小さな飛行機に乗り込もうとするとき、彼が差し出した手。ぎゅっと握手した僕は、本当のものにしましょう、と声を届けた。

飛び上がった飛行機の窓の天草の灯りはすぐに分からなくなったけど、福岡空港に着いたとき、天草から帰ってきたんだよと誰彼に言いたくなっている僕は、ちょっとかっこよかったと思っている。