それは兄貴でしょ。
ぼくのことを兄貴と呼ぶ男の名前は浩。三つぞろいのちょっきの似合う不良だ。この男のかけがえのない友が、これまた不良の壮一。この二人と縁をもらったぼくも含めたこの勉強会があくゆうの会。もちろん悪友なんかじゃない。あくの強い友人の会でもない。「あくなき追究、優劣のかなたをめざす会」のことだ。
この会の自慢は生徒に恥をかかさないこと。丁寧に寄り添うこと。自分からして見せること。本当はみんな謙虚なこと。
だから、ぼくは壮や浩が好きだ。彼らの授業はとにかくとにかく丁寧だ。
ということで浩の授業。この日を楽しみにしていた。壮の授業以来の鹿児島。壮のときの感動をもう一度。浩の文字がぼくらを迎えてくれる。
折り句が心にくい。
2年4組。美しい言葉が飛び交う教室というのはこういう教室のことだ。無駄のない会話とはこういう時間だ。生徒が力を出しはじめるとはこういう瞬間だ。だから、もっともっと深く学ばせよう。「ぐっ」という音が聞こえてくるくらい生徒が弾む授業はもう目の前にある。
あくゆうの会。まぶしい会だ。