単元のはじまり

これもゆきさんとのゼミの話。

「単元学習で大切なことの一つに学習計画がありますよね」とゆきさん。「そのとおり」と僕。実際に単元学習を実践したゆきさんならではの発言だし,単元学習の実践の参観する目も高めてきた彼女ならではの感想だ。

単元学習での学習計画は,導入での計画からはじまり,展開での修正,その後の再修正や総括など,単元を貫いて考えていかなければならないものである。一枚の計画表をつくっておしまいというものではない。

「だったら導入と言うよりも《はじまり》とか《はじめ》という方がぴったりくるよね」と二人。

導入は決して教師だけのものではない。常に学習者と一緒にということもないだろうけど,単元の《はじまり》は学習者不在であってはいけない。教師のひっぱりになってしまっては残念だ。あくまでも「学習者の《はじめ》であり,学習の《はじまり》」でありたい。学習者がそこにいて,学習者が動き出す,学習者みずからが動きをつくりだす。それならそれはまちがいなく「単元のはじまり」であり,「単元のはじめ」であるように思う。学習者がみずからモデルと向き合い,モデルをなぞり,モデルの骨組みを理解し,モデルと材料を重ねていく。重ねていこうとする。そんな大事な大事な時間であるはずだ。

こんなゼミの時間のあとは,他のことを考えずにもう少しこの余韻に浸っていたくなる。